リスケプランの具体的な内容

事業再生プラン、すなわち、第二会社方式による事業再生は抜本的な事業再生であるとともに抜本的な過剰債務の解消策であり、当所では事業再生プランの実現を原則としております。

しかし、業種によっては、事業実施に許認可が必要となるために、採算事業の事業譲渡をすることができない場合もあります。あるいは、第二会社(新会社)を設立することが代表取締役の適任者がいない等の理由から困難な場合、第二会社が譲渡を受ける採算事業の譲渡代金の資金調達ができない場合などにより、事業再生プランを実現できないことがあります。そのような場合には、次善の策として、不採算事業の不採算原因の究明と対策実行による採算事業化(黒字化)、不採算事業のストラ、廃止に加えて、金融機関からの借入債務の返済条件の変更(リスケジュール)、ディスカウント・ペイオフなどからなるリスケプランに取り組むことになります。

リスケプランの解説

(事例)

A社は年商40,000万円で直近決算書での利益は1,000万円の黒字であるが一方、銀行借入合計は22,000万円で、うち5,000万円は半年後に一括返済の約定である。

翌期の年間返済金額合計をまかなうだけのキャッシュフローが生み出せていないため抜本的な経営改善が求められている状況にある。

1.時価会計による正味貸借対照表の作成

A社の抜本的な企業再生に着手するにあたり、会社の本来の姿を可能な限り正確に捉える必要がある。

具体的には簿価ベースから時価ベースでの財産評価を行うところから始め、会社の現在価値を対外的にも明確に表すことを目指す。

売掛金の一部(1,000万円)には、長期にわたり滞留している債権が含まれており、今後も回収の見込みはないと判断された。

商品の一部(200万円)には、不良在庫として売却価値が見られないものが含まれていることが判明した。

固定資産は適正な減価償却を実施しておらず、正しい現在価値に引き直すと14,000万円であることが判明した。

資産のその他には保険積立金が1,500万円含まれている。

2.実抜計画(実現可能性の高い実効性の高い経営改善計画)の作成

次に、利益計画の作成に進むが、金融機関に交渉を持ち掛けるためには、自ら(会社)の事業内容を厳密に見直し、利益獲得の可能性がより高い事業へと選択と集中が重要となる。

A社は3つの事業を営んでおり、決算書数値を事業別に細分化すると以下のようになった。

事業別に現状分析と、将来可能性について個別に検討を進める。

  • 「既存1」は当社の主力商品であり、今後の市場拡大が予測される分野において、業界内でも一定のシェアを獲得していることから今後も安定した業績が期待できる。
  • 「既存2」は業界内で一般的な商品ではあるが、事業単独で利益をもたらすまでには至っておらず、今後の市場拡大の予測も難しい。
  • 「新規3」は当社独自の商品であり、現在投資段階にあるため事業単独で利益を獲得できるまでには至っていないが、今後の市場拡大の可能性は高く、将来的に当社の主力商品になり得る。

以上の分析の結果、不採算事業である「既存2」は撤退し、「既存1」と「新規3」の事業に経営資源を集中することを決定した。

継続する各事業の利益計画を作成する。「新規3」については、継続により粗利益の増加、経費の圧縮が予測されるため事業単独での利益獲得が見込める。

3.実抜計画に基づく返済計画(リスケプラン)の作成

新たな利益計画作成の結果、年間利益は2,000万円と算出されたが、銀行への要返済金額は3,400万円超であり、間近に迫った乙銀行3,000万円の返済に対する手当もできていないため、このままでは資金ショートが発生してやはり銀行返済に不具合が想定される。そこで、個別に銀行に対する返済計画を作成する必要がある。

<資金繰り表の作成>

損益ベースの利益計画と並んで、資金繰り表の綿密な作成も重要である。

先の時価評価により債権・債務・在庫の正しい姿が明らかになっているので資金繰り改善策を実施しながら、実現可能性の高い資金繰り表を作成する。

債権 売上債権の回収サイトが長いと入金までの間、資金が不足することになるので回収サイトをできる限り短くすれば資金繰りが改善する
債務 仕入債務の支払いサイトが短いと、支払が早く到来するため、同じく資金が不足する。
支払サイトをできる限り長くすれば資金繰りが改善する。
在庫 仕入れた商品が販売されずに長期在庫のままであると、資金化が遅れ、その間の資金が不足する。適正在庫をできる限り少なく設定し、不良在庫を発生させないよう改善する。

資金繰り表作成の結果、ここでは返済金額が年間2,000万円以下であれば資金ショートすることなく事業を継続できる計画となった。

<不要資産の売却等>

最終的に銀行にリスケを承認してもらうためには、最大限の努力をもって理解を得ることが必要である。

現金化できるものは可能な限り処分し、返済に充当するなどの行動を検討する。

ここでは、銀行返済財源を捻出するため、撤退する「既存2」の資産の売却(1,500万円)と生命保険契約の解約により、保険積立金の返戻金(1,500万円)を乙銀行への返済に充当することとした。

<返済計画の作成>

資金繰り表から年間可能返済額は2,000万円以下、不要資産売却後の銀行残高は1.9億円と算出されたので約10年(19,000万円÷2,000万円=9.5年)の返済期間にリスケジュールができれば、円滑な事業継続と銀行返済が可能である。そこで、甲銀行に対し、債務の一本化と返済期間変更のリスケジュールを交渉する

4.金融機関へのリスケプランの説明、同意取り付け

A社 採算事業のみの経営のスリム化に成功。銀行返済も滞りなく、事業の安定経営に向けて踏み出す。
甲銀行 現状のままでは回収が困難であり、貸倒の危険もあったところ、条件変更を承諾することで全額回収の見込みがたった
乙銀行 約定通りの回収を達成。

リスケプランでは次のようなステップで進めていきます。

(1)時価会計による正味貸借対照表の作成

(2)実抜計画(実現可能性の高い実効性の高い経営改善計画)の作成

(3)実抜計画に基づく返済計画(リスケプラン)の作成

(4)金融機関への実抜計画の説明および修正

(5)金融機関へのリスケプランの説明、同意取り付け

リスケプラン実現!

月次モニタリングの実施

詳細バージョン

リスケプランでは次のようなステップで進めていきます。

(1)時価会計による正味貸借対照表の作成

直近の決算書をベースに、滞留債権や保有不動産の評価損益を加味して、帳簿価格ではなく財産価値に引き直した新たな決算書を作成します。

(2)実抜計画の作成

現状分析・環境分析を通じて明らかになった改善項目を考慮した実現可能性の高い新しい利益計画を作成します。不採算事業の原因究明に基づく対策の立案なども実抜計画作成の中で取り組むことになります。

(3)実抜計画に基づく返済計画(リスケプラン)の作成

利益計画を基に、金融機関に対する新たな返済計画(金融機関ごとのリスケ案)を作成します。リスケ案の作成とともに、金融機関のサービサーへの債権譲渡への対応としてのディスカウント・ペイオフ(金融機関から安価で債権譲渡を受けたサービサーとの安価での和解解決)にも取り組みます。金融機関にとって納得感のあるものに仕上げなければなりません。

(4)金融機関への実抜計画の説明および修正

リスケプラン成立には金融機関の協力が不可欠です。実抜計画の金融機関への説明にあたっては弁護士法人泉総合法律事務所が経営者様と同行いたします。また、修正が指示された場合でも弁護士法人泉総合法律事務所と久徳会計事務所ないし顧問税理士事務所が協同して対応いたします。

(5)全金融機関へのリスケプランの説明、同意取り付け

(2)~(4)を繰り返し実行することで、メインバンクだけでなくすべての金融機関からリスケプランの同意を取り付けるべく最大限フォローします。

早期の対策が重要です。まずは一度ご相談ください。

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